こちらでは、神戸市の「4月の気候」について、神戸市の都心部・沿岸部で見られる状況を基本に、気温・天気の傾向などを見ていきます。
気温の傾向
神戸市の4月は、基本的に春らしい温暖な気候と言えますが、気温にはまだ低い「海水温」の影響が加わるため、その特徴はやや複雑です。
気象台の気温で見た場合、朝の気温は高めで、最低気温が10℃を下回るようなケースはそれほど多くありません。一方で、神戸空港の観測地点では、10℃未満になるようなケースが一般的に見られます。
また、昼間の気温は例えば大阪・京都の都心などと比べると上がりにくく、気象台でも最高気温が25℃以上になるようなケースはかなりまれで、神戸空港では観測されたこと自体なく、20℃以上となる日も少ないため、昼間の気温が低めの場所と言えます。
神戸市は海の影響を強く受ける気候ですが、海水温はすぐに変化するものではなく、季節の歩みに対し「遅く下がり、遅く上がる」特徴があります。そのため、ゆっくり上がる海水温の影響を沿岸部ほど強く受け、結果としては春の気温上昇ペースは、海の影響を受けにくい地域と比べるとゆっくりしたものとなります。
項目 | 神戸地方気象台 4月の平年値 | 神戸空港アメダス 4月の平年値 | 【参考】大阪管区気象台 4月の平年値 |
---|---|---|---|
平均気温 | 15.0℃ | 13.7℃ | 15.2℃ |
平均最高気温 | 18.9℃ | 17.3℃ | 19.9℃ |
平均最低気温 | 11.4℃ | 9.9℃ | 10.9℃ |
夏日日数(最高気温25℃以上) | 0.5日 | 0.0日 | 2.5日 |
天気の傾向
4月の天気は、全国的な状況と同じく「天気は周期的に変化」する一方、「比較的晴れる日が多い」という傾向を持ちます。
日差しがある時間を示す日照時間は、1年の中では3番目に多い水準となっており、日によっては1日中気持ちの良い青空が広がり続けることもあります。
雨は天気が周期的に変化する中で見られます。一部の年では雨がかなり少ない4月となるケースもありますが、基本的には「時折ある程度降る」パターンが多くの年の傾向と言えるでしょう。
なお、梅雨時や台風シーズンに見られるようなレベルの大雨は通常見られません。例えば1日の雨量が100mm以上となったケースは、観測の歴史上存在しません(2024年時点)。
雪は平成以降の場合、1996年4月3日に気象台でも一瞬みぞれが降ったという特殊な記録がありますが、後述する六甲山上などのケースを除き、神戸の4月にはほぼ無関係な気象現象と言えます。
項目 | 神戸地方気象台 4月の平年値 | 神戸空港アメダス 4月の平年値 | 【参考】大阪管区気象台 4月の平年値 |
---|---|---|---|
降水量 | 100.6mm | 83.7mm | 101.9mm |
日照時間 | 194.8時間 | データなし | 192.6時間 |
平均雲量 | 6.4 | データなし | 6.5 |
不照日数(日照時間なしの日数) | 4.1日 | データなし | 3.9日 |
降水日数 | 16.3日 | データなし | 16.4日 |
降水量1mm以上の日数 | 9.0日 | 8.8日 | 9.2日 |
降水量10mm以上の日数 | 3.6日 | 3.1日 | 3.6日 |
降水量30mm以上の日数 | 0.7日 | 0.5日 | 0.8日 |
雪日数 | 0.1日 | データなし | 0.0日 |
霧日数 | 0.2日 | データなし | 0.2日 |
雷日数 | 0.7日 | データなし | 0.8日 |
その他ポイント
4月は、1年の中で見た場合、風の強さは平均的には強くも弱くもないと言える時期ですが、日本付近を低気圧が発達しながら通過する場合には、まれに春の嵐とも言える天気になることもあります。
湿度は1年の中では低く乾燥しやすい時期で、高気圧に覆われてよく晴れた日の一部には、昼間の湿度が30%未満を観測することがあります。冬とは違い気温がそれほど低くないため、洗濯物がかなり乾きやすい「洗濯日和」も多いと言えるでしょう。
項目 | 神戸地方気象台 4月の平年値 | 神戸空港アメダス 4月の平年値 | 【参考】大阪管区気象台 4月の平年値 |
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平均風速 | 3.6m/s | 4.4m/s | 2.6m/s |
最大風速10m/s以上の日数 | 4.2日 | 7.9日 | 1.6日 |
最多風向 | 東北東 | 北東 | 北北東 |
平均相対湿度 | 61%(最少) | データなし | 58%(最少) |
最大(最少)は年間で最も大きい(小さい)平年値を示す
地域ごとの特徴は?
主な区域 | 特徴 |
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都心・沿岸部 | ・概ね温暖、海水温の影響で昼間の気温はやや上がりにくい |
西部内陸部 | ・朝晩の気温が都心や沿岸部と比べやや低い傾向 ・明石方面からの海風の影響で、昼間の気温は都心や沿岸部と大差なし |
北区 | ・朝晩の気温が明らかに低い(日によっては暖房が必要) ・一部の日は明け方に氷点下まで下がったり、霜や氷が見られる場合も ・昼間の気温は標高が高い一部を除き、目立って低くはならない |
六甲山上 | ・概ね平地の「3月の気温」のため、服装に要注意 ・雪は滅多に降らない一方、ごく一部の年で上旬に積雪した事例も |
神戸市内は、市内の地域ごとの地理的特徴が多様なため、気候にも相応の違いが生じます。
具体的には、六甲山上など山岳地帯のみならず。北区内など内陸側かつ標高が高めの地域は、朝晩の冷え込みが4月でもかなり目立つ場合があり、都心部や沿岸部とは体感的な面も含め、気温の特徴には大きな違いがあります。