【大都市(政令市)比較】神戸市の「面積」は広い?狭い?

地理を知る

神戸市は、近畿地方で2番目の人口規模を持つ大都市である一方、海と山に挟まれた地形、のどかな農村地域など様々な特色を持つ自治体です。

こちらでは、神戸市に関する「数字」のうち「面積」というテーマに着目し、「大都市(政令指定都市・東京特別区)同士の比較」からその状況について見ていきたいと思います。

総面積

順位自治体総面積(km2)神戸市に対する割合(%)
1位浜松市1,558.1279.7
2位静岡市1,411.8253.5
3位札幌市1,121.3201.3
4位広島市906.7162.8
5位京都市827.8148.6
6位岡山市790.0141.8
7位仙台市786.3141.2
8位新潟市726.3130.4
9位東京都区部627.6112.7
10位神戸市557.0
11位北九州市491.788.3
12位横浜市437.878.6
13位熊本市390.370.1
14位福岡市343.561.7
15位相模原市328.959.0
16位名古屋市326.558.6
17位千葉市271.848.8
18位大阪市225.340.5
19位さいたま市217.439.0
20位堺市149.826.9
21位川崎市144.325.9
出典:大都市比較統計年表(2021年)

神戸市は、20政令指定都市+東京都区部の中では「10番目」に面積が広い自治体です。最も広い浜松市と比べるとその4割に満たない面積ですが、最も狭い川崎市と比べると3倍以上の面積を持っています。

周辺都市で見た場合、神戸市は大阪市の約2.5倍、京都市の7割弱、堺市の約3.5倍の面積となっています。

神戸市は東京都区部(23区)に比較的近い(1割狭い程度)面積を持ち、全体の中では特段突出していない、ある種「広くも狭くもない」普通のスケールを持つ都市と言えます。

なお、政令指定都市ではなく、神戸市の属する兵庫県内の自治体として見た場合は、北部の豊岡市・宍粟市に次いで全41市町中で3番目に広い面積にあたります。

可住地面積

順位自治体可住地面積(km2)神戸市に対する割合(%)
1位新潟市670.6199.7
2位東京都区部627.5186.9
3位浜松市490.4146.0
4位岡山市441.1131.4
5位札幌市438.8130.7
6位横浜市401.2119.5
7位仙台市346.8103.3
8位静岡市342.6102.0
9位神戸市335.8
10位熊本市327.197.4
11位名古屋市316.994.4
12位北九州市297.788.7
13位広島市295.087.8
14位福岡市232.869.3
15位大阪市225.367.1
16位京都市218.465.0
17位千葉市215.464.1
18位さいたま市214.663.9
19位堺市145.943.4
20位相模原市141.042.0
21位川崎市135.240.3
出典:統計でみる市区町村のすがた2023

総面積ではなく「人が住むことが出来るような地形」を意味する「可住地面積」で見た場合、神戸市は20政令指定都市+東京特別区の中では9番目に広い面積を持ちます。

最も広い新潟市と比べると半分程度、最も狭い川崎市と比べると2倍少々と、やはり神戸市は特段突出した数字ではなく、ごく一般的なスケールを持つ自治体と言えます。

なお、可住地面積は「総面積」とは大きく異なるため、総面積では順位が高くなかった自治体が上位に見られることも特徴です。

可住地面積割合

順位自治体可住地面積割合(%)
1位東京都区部100.0
2位大阪市100.0
3位さいたま市98.8
4位堺市97.4
5位名古屋市97.1
6位川崎市94.6
7位新潟市92.3
8位横浜市91.6
9位熊本市83.8
10位千葉市79.2
11位福岡市67.8
12位北九州市60.5
13位神戸市60.3
14位岡山市55.8
15位仙台市44.1
16位相模原市42.9
17位札幌市39.1
18位広島市32.5
19位浜松市31.5
20位京都市26.4
21位静岡市24.3
可住地データ出典:統計でみる市区町村のすがた2023
割合は当サイトにおいて算出(四捨五入などで完全な数字ではない場合あり)

可住地面積について、広さではなく「総面積に占める割合」で見た場合、神戸市は20政令指定都市+東京特別区の中では13位となっています。

この数字は「高い」ほど「山地が少なく、平地や丘陵地などが多い」地理的特徴を表すもので、東京都区部・大阪市が100%であるのは、山地などが一切存在しないことがその要因です。

神戸市は「海」と「山」に囲まれた自然あふれる都市で、坂道が多いことから可住地面積が狭いイメージが持たれがちですが、可住地面積は全体の6割程度は占めており、京都市などと比べれば大幅に高い数字となっています。

市内は険しい六甲の山々などのみならず、市北部・西部には丘陵地が広く見られるほか、かつては可住地ではなかった山地を切り開いて開発されたニュータウンが目立つため、その影響で可住地が拡大した側面もあり、結果として5割以上の可住地割合となっています。

市街化区域面積

順位自治体市街化区域面積(ha)神戸市に対する割合(%)
1位東京都区部58,214287.6
2位横浜市33,767166.8
3位名古屋市30,258149.5
4位札幌市25,034123.7
5位大阪市21,145104.5
6位北九州市20,560101.6
7位神戸市20,244
8位仙台市18,08089.3
9位福岡市16,37280.9
10位広島市16,14879.8
11位京都市14,98074.0
12位新潟市12,98564.1
13位千葉市12,88263.6
14位川崎市12,72862.9
15位さいたま市11,69857.8
16位熊本市10,79553.3
17位堺市10,73553.0
18位静岡市10,48151.8
19位岡山市10,39051.3
20位浜松市9,89048.9
21位相模原市6,82633.7
出典:大都市比較統計年表(2021年)

各都市について、都市計画上の「市街化区域」となっている面積を見ると、神戸市は7番目に広い都市となっています。

基本的に市街化区域の広さは、その都市の人口・経済規模に比例しやすいため、神戸市の数字はそれほど違和感のあるものではありません。但し、細かく見てみると、例えば神戸市より人口が多い福岡市はむしろ狭く、逆に神戸市より人口が少ない北九州市は広くなっているなど、都市の状況・性質により差が見られます。

神戸市は、海と山に挟まれた土地条件のため、人口密度が高いイメージが持たれがちですが、実際には非常に高い人口密度を持つ都心寄りの市街地に加え、人口密度はそれほど高くない郊外のニュータウン地域が広大に存在するため、結果としては人口に対する市街化区域が比較的広めになっている特徴があります。

加えて、日本屈指の港湾都市である神戸市の場合ポートアイランド・六甲アイランドといった他都市には見られない土地利用(大規模な人工島が複数ある)の形態が存在し、それらの面積が比較的広い点も考慮する必要があります。